今村陽子「ひとよひとよに乙女ごろ」：レビュー レトロな時代の、軍人TSラブコメ。

真面目でお堅い軍人が、真っすぐで初心な美少女に。
心も体も振り回されっぱなしの、いじらしくもどかしいお話。

作品紹介
女体化被害者
作品のポイント
膨乳
レビュー
まとめ
外部リンク

作品紹介

タイトル	ひとよひとよに乙女ごろ
作者	今村陽子
出版社	少年画報社
レーベル	ヤングキングコミックス/月刊ヤングキング TSコミックス
ISBN	9784785952433
巻数	全1巻
話数	全5話
ページ数	158
備考	青年誌掲載。裸あり。

舞台はモダンでレトロな時代。
実直な男軍人：黒崎数馬が女体化させられてしまうTSラブコメ。
男ながら初心な黒崎が、見た目も相まってとてもかわいい。
心情に重きが置かれ、時代と女性とあれこれ悩む姿が印象に残ります。

お色気多め。
膨乳はスパイス程度で薄め。
1巻完結なのでサラッと読め、
最後はスッキリと終わってくれる読了感の良い作品です。

特に好きなのは後日談の4コマ。
微笑ましくてニヤニヤしちゃいます。

試し読み：ebookJapanとbookLiveが他サイトよりページ多めです。

女体化被害者

科学部による強化実験で女体化。
男に戻るまで「櫻小路中尉」の自宅に居候することに。
黒崎乙女と名乗り、中尉の妹「櫻小路日向子ひなこ」のボディーガードとして女学校に通う。
密かに日向子へ想いを寄せている。

ほぼ騙される形で女体化された軍人。
サバサバしつつも可憐で初心、
発育のよい黒髪美人になってしまいます。

お酒も飲める歳なのに女学校に通う羽目に。
想い人の日向子に距離を詰められ、
困惑する様子がかわいいです。

男物の軍服や着物に袴など、
時代に合った服装が目を引きます。
どれも豊かな胸が強調されてます。

作品のポイント

①恥ずかしがる様子がかわいい。とにかくカワイイ。

上司の櫻小路中尉は女性の扱いに長けています。
わざわざボディタッチしたり女性として扱ったり、からかわれ続けます。
その度に顔を真っ赤にするのがとてもかわいいです。

②乙女の肉体を強調する場面が多め。自然なエロス。

乙女となったその健康的な肉体が度々強調されます。
服を乱す、科学部にいじられる、お風呂、女性同士のスキンシップ…
ラッキースケベがないのが、自然な感じで好みです。

③乙女化による恋の悩み。女同士の友情と甘酸っぱいすれ違い。

事情を知らない日向子が距離を詰め、2人は互いのことをもっと知ります。
しかし今の黒崎は乙女であり、日向子とは女友達止まり。
好きな人の言い合いっこなど、もどかしくなる場面の印象が強いです。

膨乳

膨乳の実行者	なし。膨乳させる意図なし。
膨乳する理由	乙女ホルモンの過剰分泌
膨乳方法	ボディタッチに体が反応してしまう
大きさの変化	普乳→巨乳→普乳→巨乳→普乳

「男に恋してしまうと乙女ホルモンが分泌され、男に戻れなくなる」
というのが黒崎乙女の肉体。
櫻小路中尉からのやたら距離の近いスキンシップに体が反応。
肉体がより女性らしくなってしまいます。
惚れられるなんて微塵も考えていないとはいえ、事あるごとにからかう中尉がいけないですね。
女性にときめくと胸が小さくなるようですが、推察できる描写はあれど言及なし。

1度目は胸が大きくなるコマ描写はなし。
2度目は上記画像。
このふわっと優しく膨らんでるのが好みなのですが、
・元々胸が大きめなので以降のコマでも変化が分かりづらい。元に戻ってる？
・膨乳後、大きさへの言及がほぼない
そのため変化自体はお話の中で目立っていないです。

しかし、嫌がっているのに体は正直じゃないか…という感じが良いですね。
乙女の心は乱れに乱れていますが、日向子への好意は作中で一貫しているので好感が持てます。
結果、肉体に無理矢理引っ張られている感じが出て個人的に好きです。

レビュー

主人公：黒崎数馬のTS後の可憐さ、
男女関係に右往左往する心のさまを堪能できた作品。
時代がレトロな設定であるのも、心理描写を深めていると思います。

お堅くお若い軍人がTSすると、男らしさと初心さを兼ね備えた美少女に、というのが良いですね。
最初は女性に偏見を持っていたものの、女性たちと交流することで悩みを知り成長します。
その上で好きな人と交流するも、想いが伝えられない様子がもどかしいです。
原因は時代であり今の性別であり、どうしようもなくモヤモヤする様子もかわいらしいです。

また、男性女性両方からのアプローチに戸惑う様子もかわいいです。
男としてのアイデンティティがブレつつも、
秘めた想いがブレることはないので自分としては好感度高いです。
ただそれにより最終的な男性キャラの印象が少し弱い、という感じがしなくもないですね。

全1巻、サラッと読めて、スッキリ終わってくれます。
後半少し駆け足な感じもしますが、自分としては許容範囲内ですね。
話の短さのためか、一途な面が強く感じられます。
TSしたら男性にときめいてしまった、という展開を望まれる方には少し物足りないかも。
しかし乙女のかわいさ、お色気、恋に悩む青春・心理描写などが豊富で、個人的には満足でした。

まとめ

TS後がかわいい。軍服、着物などで大きな胸も強調。
お色気がちらほら。自然なエロス。
女性化した故の、女性への恋の悩み、もどかしさ。

外部リンク

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ひとよひとよに乙女ごろ

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